2010年4月27日火曜日

旅のおわり

こんにちは。
昨日、無事帰って参りました。日本です。

約1年離れていたら何かが変わっているのかな、と思ったらあまり変わらず、JRの電車の匂いも街の風景も、そういえば日本ってこんなふうだった・・・と思った帰国初日です。

長いと思っていた1年間はあっという間で、めくるめく間に日々が過ぎていきました。世界のほんの一部分しか見ることはできなかったけれど、世界はほんとうに広かったし、美しかったです。もちろんいいこと楽しいことばかりではなく、人とけんかもしたし盗難にあったり人種差別を受けたりしたこともあったけれど、それでも、それだけいろいろな人がいるということを知れたことが何よりもよかったと思っています。こんなに多種多様な人がいる、だから世界はこんなにおもしろい、ということを思います。

今回の旅のあちこちで出会えた方々、ありがとうございました。人との出会いは宝物です。いちばんの思い出です。日本で見守っていてくださった方、何かのご縁でこのブログを読んでいてくださった方にも感謝でたくさんです。1人でいられたのは(実はあまり1人ではなかったのですが)、1人ではないと感じさせてくれる人が周りにたくさんいたからだと思っています。

このブログは旅の記録として始めたものなので、帰国してから続けるかどうかは迷っていたのですが、旅をしている気分でいるあいだは続けようと思っています。しばらくは、写真を少しずつのせるつもりです。近況報告もしながら更新しようと思うので、また見にきていただけると幸いです。

2010年4月25日日曜日

人と会うこと

旅をしているとたくさんの人に出会います。最近出会ったひとのこと、その3。

日本ではあいさつのときハグをする習慣がないけれど、そうやって行動で気持ちを伝えるのも大切だと思うのです。中国もその習慣はないだろうけれど、ぎゅっとハグしてくれた中国人の女の子と会って思ったこと。

「あなたはやさしいです」と言ってくれた人がいるけれど。私はちっとも優しくないことは自分でよくわかっているし、他人の優しいところを見つけられる人の方が、よほどやさしいと、思います。

人と会う努力をしなくても、続く人とは続くんだから大丈夫だよ、ということを教えてくれた人がいます。私は今まで人と会うことに(会いたい人に会いに行くことに)かなりの情熱を注いできたけれど、人に会いに行くことをそんなにがんばらなくてもいいのかもしれない、もっと自分のことを考える時間を持っていいのかもしれない、とも思っています。

初めて1人で旅をしたときに出会った人と、9年ぶりにバンコクで再会しました。以前と変わらぬパワーと明るさをもつ、かわいい女のひと。会えるときには会える、というのは本当でした。

「旅って、楽しい思い出がたまっていきますね」と言った男の子がいました。歳を重ねるってことは、思い出を重ねることなのかな、と思います。

この旅のあいだ、たくさんの人に出会いました。
縁があってまた会える人もいるかもしれないし、会えない人もいるかもしれないけれど、出会えた幸せさをうれしく思います。

いよいよ明日には日本です。

2010年4月23日金曜日

テヘランの地下鉄にて

テヘランの空港に向かう地下鉄の中、1人の女の子に会いました。

イランは観光客が少なく、外国人はどこに行っても目立ちます。その女の子も東洋の顔立ちをしていて、中国人か台湾人かな、と当初私は思っていました。

乗客が少なくなり車内ががらんとした頃、彼女は私に何か話しかけてきました。彼女の言葉はわからなくても出身を尋ねられているのだろうと思い、「ジャポン」と言うと、彼女は泣きながら私の手をとり、何かを必死で伝えます。

わかったことは、「マザー、ジャパニ」ということ。「お父さんは?」ときいてもよくわからず、周りのイラン人が訳してくれたところによると、「お父さんはアフガニスタン人でお母さんが日本人」ということと、「彼女はあなたにNice to meet youと言っているよ」ということ。

私は、こんな、Nice to meet youを初めて言われました。
彼女に何があって、どんな思いで、この言葉になったのかは分かりません。それに、私がたまたま日本人だったから言われただけです。それでも、彼女の言葉は単なるあいさつではなく、もっと何というか、人として魂のこもったものだったように思うのです。

アフガニスタンという国を訪れる機会があるかどうかわからないけれど(きっと9割ないでしょうが)、それでも、これからこの地名から真っ先に私の頭に思い浮かぶのは、きっと彼女のことだと思うのです。

約1年のあいだ旅をしてわかったことは、どの土地にもそれぞれ血の通った人間が住んでいるということです。パキスタンにいるのはタリバンと自爆テロを起こす人間だけではないし、タイにいるのも赤い服でデモに参加する人々だけではありません。

それぞれの土地で、お茶を飲んで、笑ったり怒ったり人々は仲良くなったりけんかしたりしながら暮らしています。それを感覚としてわかると、あの国にミサイルをぶち込め、とか占領しちまえ、なんてことを簡単に言えない、と思います。

世界がもっと平和になるには、どこでも人々が暮らしているということを知ることが大切なように思います。そんな当然のこと、頭の中で理屈ではわかっていたことを、旅に出て、やっと体でわかったような気がします。

2010年4月22日木曜日

FIGHT FOR DEMOCRACY


日本の報道がどのようなものかわかりませんが、タイ中心部はこのような様子です。まだ赤い人たちが中心部を占拠しています。暑い中たいへんです。


この日は、帰国便のエアチケットを取りに街まで行ったのですが、街の中心部の大きなデパートがほとんど全部閉まっているのです。

間違っていることに対して、間違っている、と立ち上がる行動を取ることは大切だと思うのです。そんなエネルギーがあることが、少しずつでもよい方向に進んでいる気がしてなりません。


変えられるものを変える勇気と
変えられないものを受け入れる心の広さ
その2つを見分ける力が、私は欲しい。

こう言っている人がいました。
私も、そんな力が欲しいです。

2010年4月15日木曜日

Bangkok is where it's all happening

こんにちは。

私は昨日の夜、テヘランを出て本日の朝バンコクに着きました。
ここ最近、バンコクの情勢があまりよくなかったのでここに泊まるかどうか決めかねていたのですが、デモも落ち着いたようですし、バンコクにいても大丈夫そう、と思い、バンコク。

まず空港に着いて思ったことが、ノーモアスカーフ!!!!!ということ。
イランでは、どこでもスカーフを頭に巻かないと外に出られなかったのに、ここではそんな必要はありません。一緒の飛行機に乗っていたイラン人たちは空港に着くとすぐ、ここぞとばかりに女性はスカーフを外し、男性は免税店にお酒を買いに行き(イランはお酒を手に入れるのが難しいから)。そして、肩に腕に足を出した格好の女の人たちから目を離せない様子のイラン人男性たち。
イラン人にとって刺激の強いだろうところだろうと、余計な心配をしてしまいながらタイにやってきました。イランとは全く別世界の、タイ。同じ地球の上に、あんなに異なる国があるなんてなんだかうそみたいです。


タイはお正月です。水掛祭りです。

道を歩くと攻撃されます。私何もしてないのに・・・。あっという間に体中水だらけ泥だらけ。



水かけ部隊、出動。

タイのカオサン通りはすごいことになってます。恐ろしくて写真がとれません。数日前まで、デモ隊が占拠していて大変だったらしいのですが、今日のここは、人人人人!あちこちでがんがん音楽がかかっていて、タイ人が踊っていて、あちこち屋外クラブのようです。

元気な国民だな、と思います。人々がエネルギーを外に出したいみたい。国にエネルギーがあるのはいいな、と思います。

ユーラシア大陸をうろうろする旅の始めはここで、終わりもここになりそうです。

2010年4月12日月曜日

観光地について思うこと

お城があればお城に行くし、お寺に宮殿に、遺跡に博物館に美術館。
私も観光客の一人なので、あちこちに行って、観光地に足を運んできました。
今日は、その観光地の入場料についての記録です。

ヴァンゴッホ美術館(オランダ)15ユーロ(約2000円 物価を考えると、こんなものでしょうか)
アンコールワット(カンボジア)1日券 20ドル
ポタラ宮殿(中国)     100元(約1500円 中国は移動費と観光費が高いのです)
タージマハル(インド)    750ルピー(約1500円 インド人はとてつもなく安い)
ピラミッド(エジプト)    学割で30ポンド(約550円 学割なしの場合は倍でした。学生証チェックが非常にゆるい、エジプト)
ぺトラ遺跡(ヨルダン)   33ディナール(約4000円!ディズニーランドみたいな値段!)
クラック・ド・シュパリエ(シリア)150ポンド(約300円 学割が効くとたしか10ポンドぐらい。でも学生証チェックがシリアは厳しいのです)
ペルセポリス(イラン)    5000リエル(約50円)

イランの大体の観光地の入場料は、5000リエルです。50円ほどです。この国のソフトクリームと同じ値段。国立博物館も、モスクも、遺跡も。どこでも大体5000リエル。もしくは無料。たまに15000リエルのところもあったりするけれど、それでも私が今回訪れた国の中で、一番観光費の安いところです。物価が特別安いわけではありません。安宿は大体5ドルから10ドルぐらいだし、食費もそんなに安いわけではないし。(もちろん日本と比較したら安いけれど)

博物館や遺跡が気軽に入れる値段というのは、いいな、と思います。ふとしたときに、じゃあ行こうか、と気負わず入れる値段設定というのは、なんだかうらやましいです。先人の作った知恵のかたまりや、美しいものを、ソフトクリームを食べる気楽さで見られること、そうしたものにすぐ触れられることが、やっぱりいいなと思うし、この国を作っているように思います。


こちらがそのペルセポリスです。


おまけに。 イランビザ代 70アメリカドル
しかもイランビザを取るのにみんなけっこう苦労をしているのです。私は大丈夫だったけれど女性1人では断られることもあるし、日本では個人旅行者はイランビザを取れないし、2週間かけて取っても15日ビザしかもらえなかったり。5ヶ国のイラン大使館でビザを断られ続けた友人もいます。そんなイランビザです。

2010年4月11日日曜日

チャイハネより






イスラムの教えに厳しいイランでは、女性がもっと内にこもっているのかと思っていたけれど、意外にも外国人に対して積極的に話しかける人が多いし、外に出てみんな歩いているし、チャイハネ(チャイ屋)で水タバコもすっておしゃべりしているのです。
女性が元気で外に出る文化ってやっぱりいいと思います。

2010年4月10日土曜日

イランのモスク

イランのモスクの美しさは、なんだかもう、とてつもないのです。
ここ数ヶ月イスラムの国をあちこちとしていたのですが、私は今までの中で、イランのモスクが一番美しいと思います。








こんな世界があったなんて!ということを思います。まるで夢の中みたい。まるでおとぎの国みたい。
写真ではこのよさがうまくお伝えできないのを悔しく思います。モスクを見るためにイランにもう一度来たいとも思います。なんだかものすごい国です、イラン。こんなものが街角のあちこちにあるなんて、ものすごいと思いませんか。

2010年4月6日火曜日

クルドの人々

クルドの人々が住む地域をあちこちと、10日ばかり過ごしていました。クルド人は、トルコ・イラン・イラクにまたがる地域に主に住む、独立した国を持たない人々です。(イラクにはクルジスタンというクルド人自治区として認められた地域がありますが、国ではありません。)

クルドという言葉に、独立運動をしてそれを抑圧・迫害され、というようなイメージしか持っておらず、それは暗くて重いものだったのですが、実際はそれ以上にたくましさや力強さを感じました。クルド人には何度も助けてもらったし、どこでもあたたかいおもてなしを受けました。

住んでいる中の政治にも生活にも不満はなくて、お金もあって、心の余裕があれば、人は誰でも優しくなれると思います。でも、クルドの人々は、たとえばトルコでは数年前までクルド語を話すことを禁じられていたり独立運動をおさえこまれたり、よそ者に対してもっと疑い深くてとげとげしていても全く不思議ではないのに、それなのに信じられないくらい優しい人親切な人あたたかい人がたくさんでした。

人に親切にできるのはその人を信じているからだろうし、人を信じられるというのは、きっと自分を信じているからだと思います。人に優しい、というのはその人自身が強いのだろうな、ということをよく感じました。


クルドの人が暮らしやすい世の中になることを心から願います。



お散歩していたらピクニックしていた子供たち。


クルドの人には美人が多いと思う。


ディヤルバクルという町を歩いていたら、1人の女性に声をかけられ、家に招かれ昼食をごちそうになりました。その家のおばあちゃんです。数日後、その家に家族の写真を持っていったらまたごはんをごちそうになり、「うちに泊まればいいわよ」と。英語も全く通じないのに(会話はジェスチャーと、ガイドブック巻末の会話集より)、ただ道ですれ違っただけの私にどうしてこんなに親切にしてくれるのだろう、と思ってしまいます。そんなところでした。

2010年4月1日木曜日

27

こんにちは。
私は無事イランに入国し、ただいまテヘランです。
ブログができないかと思っていたのですがここはなんとかできるので、少しずつ更新します。

つい先日、27歳になりました。
メールやコメントを下さった方々、ありがとうございました。27歳です。
17のころは27になるなんて想像もしなかったけれど、ともかく1年ごとに1つ歳を重ねて、今27歳です。お誕生日はいい1日でした。天気もよくて、テヘランを歩いて、いつも通り洗濯したり日記を書いたりおしゃべりしたりお茶を飲んだり。普通のことをあたりまえにして1日が終わるって穏やかでなんだかとても幸せです。

27歳になったからといって、いきなり何かが変わるわけではないけれど、なんだかしゃきっと新鮮な気分です。毎日たくさん笑って過ごせたら、と思っています。明るく元気にたくましく!小学校のスローガンみたいですが、そんな気持ちです。

ここで、シリアで会った人と、イスタンブールで会った人に再会しました。みんなにケーキをいただいて、お祝いしてもらいました。お誕生日って楽しいです。人のお誕生日も大好きだけど、自分のお誕生日もうれしいです。みなさんどうもありがとう。


横には、Haruna 27って書いてあるのです。

あと1ヶ月ほどで帰国予定です。