2009年7月31日金曜日

他の人のフィルターなしで

新しいものや人を知るとき、何のフィルターもかけず、まっさらな状態で知っていけたらいいのに、といつも思います。

知らない街に行く前には、その街に行ってきた人の話やガイドブックによって、その土地を知ろうとしてしまいます。何の情報もないまま、全く何も知らないまま、行くことは私にとって勇気のいることです。だから、ある程度の情報を集めようとするのですが、それは当然、他人の視線だし、印象です。役立つこととかいいことを教えてもらえることもたくさんあるのですが、それでも、それは人の旅のものです。

新しい人に出会うとき、その人自身よりもその人をとりまくもの、たとえば職業とか学校とか年齢、性別や服装、によって何かの手がかりを得ようとしてきたようにも思います。大切なものは、その人のまわりにあるものよりも、その人自身のはずなのに。旅先で出会う人たちとは、人の背景にあるものより、今ここにいて生きている一人の人、として向きあえています。ここにいると、職業とか(もちろんその話をすることもよくあるけれど)、肩書とか、ありません。人間対人間で、それは本当によかった、と思います。

うるさいよ、とかスリが多いよ、とか、ハノイの悪口(?)をさんざんきいてこの街に来たので、必要以上に警戒してしまいます。もちろん、警戒するのは大切なことなのですが、もう少し、まっさらな状態で、この街にいられたら、とも、少し思ってしまいます。きっと、感じ方が今とは違ったんだろうな、と。

まっさらな状態で何かを知る、ということは、自分だけが頼りで、少し怖いことなのですが、でもそれでも、自分の感覚で知っていくこと、やはり大切なことだと思うのです。自分の目で見ること、考えること、感じること。

だから私は旅に出たんだ、と思います。海外の情報なんて、これだけ情報がとびまわっている今、日本で手に入れようと思ったらいくらでもできることです。それでも、やっぱり自分の目で見てみたかったし、自分の足でその土地を歩いてみたかった、だから、来たのです。来る前は不安で仕方なかったけれど、今は来てよかった、と心から思います。


もうすぐ中国の雲南です。中国は国が情報を管理しているらしいので、ブログの更新ができるかどうかわかりません。できる人もできなかった人もいるようです。
更新ができる環境であれば更新をするので、たまにのぞきに来てくださるとうれしいです。お待ちしております。

最近いつも長々と書いてしまっているのに、読んでくださって、ありがとうございます。

2009年7月30日木曜日

ベトナム人とのタタカイ

納得のできないこととか、理不尽なことに対して、yesとは言えません。嫌なことは嫌だし、間違っていることは間違っている。相手に間違っていることを押し付けられた場合は、戦わなくてはいけないこと、あります。それが、ベトナムでは、しばしばあります。

夜行バスにてハノイに朝6時すぎに到着し、街の中心ではなく変なところで降ろされ、街に行くのに、バスが一緒だったスペイン人の母娘とカナダ人の男の子とタクシーに一緒に乗ったときのこと。タクシードライバーは、あきらかに、同じ道を往復したり、街に行くのに遠廻りしたり。この怒りをどうやって伝えよう、とアツい頭で考えているとき、一緒に乗ってきた人たちが思いっきり怒りをドライバーに伝えてくれました。私たちを連れ回したかったら連れ回せばいいわよ、でもその分払わないからねっ!いいかげんにしてよ!!と。

実は最近また盗難にあい(今度は携帯電話)、警察で被害届を書いてもらわなくてはいけなかったのですが、あっちの警察へ行け、と警察へ行ってもたらい回しにされ、どこに行っても英語が全く通じず、さらに3件目の警察署にて警察官にセクハラされ、4件目察の警察署にて、やっと被害届、ゲット。

自転車を借りたくてレンタル屋に行くと、自転車借りるのに10ドルだよ、とはじめに言われ、ばかばかしくて、じゃあいいです、と言ってそこを出ようとすると待て待て、と。結局1日レンタル1.5ドルにて。

こんなことを書き出せばきりがありません(特にハノイ)。私はまだいいほうで、欧米人は、もっともっと毎日戦っているようです。宿でいろいろな人の話をきいていると、毎日戦いだよ、とジョークをまじえながら本気で言ってくれます。

ベトナム、こんなところです。ハノイに来る前、ハノイから南に下ってきた旅行者に、ハノイはどう?ということを聞くと、口々に厳しい現実を教えてくれました。暑いよ、とか、露骨にぼったくりがすごいよ、とか、うるさいよ、とか物価高いよ、とか。

それはある意味正しくて、本当でした。ここは本当にうるさいし(彼らはクラクションを鳴らせば周りの人はみんなよけてくれると信じているよう。とにかく自分の道を確保するためにクラクション)、空気も悪く、列には並ばず、戦わないといけないこともしばしばです。

それでも、一体何ででしょう、私はベトナム好きです。携帯が盗まれても、毎日ぐたっと疲れても。彼らのエネルギーには、本当に敬服します。あんなに明るく、まるで悪いことなんて何もしていないように旅行者をだまそうとするところとか、大いに迷惑ではあるけれど、それでも、そのたくましさに、あっぱれ、と思ってしまいます。

偏りのある視点からしか見ていない印象ですが。土地を好きになるかどうかなんて、そこで出会った人とか景色とか起こったことによって決まるので、個人的なことしか書けないのですが。(それにしても一つの土地に対する本当のことなんて、一体誰が分かるのでしょう?)それでも、ベトナムで過ごして起こったことです。ベトナムに興味のある方、ぜひ、来てみてください。おもしろいところですよ、本当に。ここ。 悪い人たちばかりではなくて、いい人たちも、もちろん、たくさんいますし。

そんなベトナムも、ビザが切れてしまうので、出なくてはいけません。
明日は、夜行列車に乗って中国との国境の町まで行きます。寝台を取りたかったのですが、取れず、ハードシート(木の椅子)にて9時間です。ガンバリマス。
それでは、また。

2009年7月27日月曜日

夢をとなえる

人の夢を、きくことが好きです。これからなりたいもの、とか、やってみたいこと、とか。

私は昔から夢がたくさんあって、パン屋さん、ケーキ屋さん、お花屋さん(このあたりは小さな女の子のなりたいものトップ3でしょうか)、文章を書く人、本屋さん。それからやってみたいと思っていた(もしくは思っている)ことは、旅をすること、好きな土地に住むこと、スペイン語の勉強をすること。 ちょっとした、この先やりたいことは他にもたくさん。

夢は、強く願ってそのために動けば叶う、と信じています。でもその反面、夢は叶わないものもある、ということも少しずつ、どことなくわかってきています。夢は全部叶うんだ、と思っていたときより、少しずつ自由になりながら。矛盾しているのですが。

大切なことは、夢をかなえることより(叶えばそれ以上のすてきなことはないのですが)、未来に向けたそんな話をすることだと思います。なりたいものとかやりたいことの話をして、少しずつ、未来を作っていくこと、明るくて楽しい気持ちになること。大人こそ、夢が必要だと思います。

たとえ叶わないことだとしても、夢を見ていたい、と思います。楽しい日々を、とろけるような景色を、優しくて強い人々を、信じていたいし、明るい明日を信じていたい。

あなたは世の中のいい面ばかり見ていると思う、と言われたことがあるけれど、それでも私は世界のきれいなものを見て、夢を見ていたい、と思います。


最近ちょっと落ち込むことがあったので、楽しいことを考えたい、と思ったからこんな話を。
いつもひとり言をつぶやいているようなささやかなこのブログを、読んでくださって、ありがとうございます。

ベトナムにいるのに、ぜんぜんベトナムの話、してませんけれど。

おまけは昨日のおやつ。フルーツをいろいろ(パパイヤとかアボガドとかマンゴーとかよくわからないのとか)グラスにいれ、フォークでざくざく潰し、練乳と氷をかけてくれるもの。このお店を、日本で私ひらこうかな、と思うぐらい、おいしい。

2009年7月25日土曜日

好きなもの



ベトナムのコーヒーが、とても好きです。

きりっと、背筋の伸びる味がします。濃くて甘くて、どろっと、でもきりっと。上からぽたぽた落ちてくるのを待つ時間も、できあがってからもとにかく濃いから氷を溶かしながら飲む時間も、とても好き。水のようにすらすらごくごく飲めるものではなくって、時間をかけて飲むってことが、とても好きです。

ここでは、コーヒーは、「何もしないで飲む」もののようです。みた感じでは。日本では、働く合間に、とか、本を読みながら、とか、何かの片手に飲むものでした。でも、ここで、コーヒーをのむ人は、何もしていない。見事になにも。コーヒーをのんで、ぼーっとする、ということだけ。あえて言えば、おしゃべりぐらいです。その飲み方は、すてきです。

日本にいるときも、コーヒー、よくいれていました。好きなことは、コーヒーを飲むことそれ自体よりも(もちろんそれも好きなんだけど) 、コーヒーを、淹れる、というそのこと。何かをするのに、手際よくやることが大切なときもあるし、時間をかけることが大事なときもあると思います。私にとって、コーヒーは、時間をかけるべきもの。


本日見つけた飴細工やさん。
ここのおじさんは、ピカチュウ(らしきもの)とか、セーラームーン(たぶん)の飴細工も作っていました。体に悪そうな色してますけれど、体に悪いこと、必要になるときほしいときってありますものね。

2009年7月24日金曜日

人を信じること



ものすごいバイクの数。これぞベトナム、という風景です。

道を一つ渡るたび、一日が終わるたび、無事だったということに胸をなでおろします。大げさじゃありません。本当に、この国の都市の大きな道路を渡るのは、命がけです。私にとっては、命がけ。


ベトナムという国の話をするときに、よく耳にすることは、ごはんがおいしい、ということと、ベトナムの人はがめつい、とか旅行者からお金をたくさんとろうとする、とか、そんなことです。

それも、間違いではないと思います。そんな人もいるのはわかります。ここに住んでいる知り合いは、空き巣に入られ、別のときにバイクも盗まれ、「この国にいると人を信じられなくなる」と言っていました。

私も、だから、人を警戒しながら過ごしていました。でも、そんなに悪い人ばかりでもないし、力強く、すてきな笑顔で笑う人、たくさんいます。
そんな人に会うと、人を信じないことからのスタートより、信じることから始めたい、と思います。たとえ、この先、痛い目に遭おうとも。それでもやはり、疑うことから人と出会うよりも、信じることから始めたい。

もちろん、知らない人には簡単について行けないけれど。それでも、全てのものを警戒してシャットダウンしてしまうより、開いた心でいるほうが、ずっと、楽しいと思います。それでも、自分の身は守らなくてはいけないから、100%はなかなか信じられないけれど。

人をどこまで信じるか、というのは、毎日考えている、答えがなかなか見つからない問題です。

「性善説」(人間はもともと善であるという考え)と「性悪説」(人間の本質は悪だという考え)。塾講師のお仕事をしていたとき、中3の国語の時間、論説文でこのことについての文章を読みました。詳しい内容は忘れてしまったのですが、この2つの考えに興味を持った私は、中3の子に、性善説か性悪説、どちらかだったら自分はどっち?と問いかけてみたところ。

50人近くからアンケート(?)をとると、8割の子供たち(9割だったかも)は、性悪説の方に手を挙げてくれました。今の子供たちは、人を疑うことから始める子が多いんだ、ということがとても印象に残っています。

これを読んでくださっている方で、性善説を信じている方、教えてください。一緒にお酒飲みましょう。シェイクでもいいです。あ、もちろん、性悪説を信じる方も、一緒に飲みましょう。みんなで。

おまけ。大学生のときに発見したこと。

ドイツ語で、loveの原形は、liebenという単語です。英語で、信じるという動詞の、believeは、be+liebenがもともとで、つまり「愛のある状態」ではないか、ということ。「信じる」ことは、「愛のある状態」のこと。

ほんとかどうかわかりませんよー。ただ、なんとなく、はっとそう思ったのです。本当のことをご存知の方は教えてください。

それでは、また。今はベトナムのニャチャンで、明日はホイアンに向かいます。

2009年7月21日火曜日

サイゴンは、雨




サイゴンの、ある朝。平和です。
あちこちで、人々が、ご飯を食べていたりコーヒーを飲んでいたり。

ごはんをたべていたり、お茶を飲んでいる風景、ってとても好きです。


昨日は、大雨でした。道路という道路が、川になり、海になり。




道がない・・・
ここをじゃぶじゃぶわたりました。だれか、たすけて・・・と思いながら。
雨季ですからね、仕方ないです。どうしょうもないことを嘆いても仕方ないです。

だから、こちらで知り合った旅行者と、おしゃべりしたり、トランプしたり。
そのうちの一人が、「黒ひげ危機一髪」(あの、たるに剣をさしていくおもちゃです)を持っていました。何かのときにコミュニケーションツールになるかと思って、って。黒ひげ危機一髪を持ってアジアを歩く、ってなんだかすてきです。

ラオスで出会ったスイス人は、ギターを持っていました。ふつうの大きさの、アコースティックギターです。その人と何日か一緒に過ごしたので、暇なときはギターを教えてもらっていました。おかげでチューニングは完璧で、(自慢できることでもないけれど。)簡単なコードの音を出せるようになりました。雨の音がする室内で、ギターの音色は、幸せな気分を運んでくれます。

そんな、余分な、でも心おどるものを持つって大切ですよね。なかなか、その勇気(だってかばん重たいし)がでないのですが。私。まだまだ青いです。


ただいま、かばんをダイエットさせたいともくろんでいます。
もう少し身軽に旅をするために。本当は、35ℓのかばんで、荷物の重さも8キロぐらいに抑えられるはずなのに、それより5キロは重たいです。

本日も、雨です。
あめ、あめ、あめ。

それでは、また。
読んでくださって、ありがとうございます。
カムオン。感恩。(ありがとう)

2009年7月19日日曜日

Saigon, 2009

こんにちは。ベトナムの、サイゴンよりごあいさつです。

今日の朝、非常に騒がしい町プノンペンを出て、バスに揺られてあっというまに、サイゴンに着きました。ここも、とてもとても騒がしいところです。おびただしいバイクの数、人、バイク、人。

物を買うときには物価の10倍ぐらいの値段をふっかけられ、市場に行けばお土産屋のおばさんに腕をつかまれて離してもらえず。ベトナムを旅するのにはとても体力がいる思うのですが、それでも、私はベトナムが好きです。この熱気、人が生きている、という力強さをひしひし感じることができます。人はたくましく、ごはんはおいしく。バスがカンボジアとの国境を越えて、ベトナムに入ってから、外の景色から目を離すことができませんでした。

そういえば、この町の正式名称は、ホーチミンシティ、といいます。それでも、町の人はみな、サイゴンと呼びます。私も、サイゴン、という町の名前が好きです。サイゴン。すてきな地名です。

この町に来るのは、3度目です。初めて来たのは、6年前。そのときはハノイからサイゴンまで南下しました。次に来たのは去年の11月、社会人だったので1週間のお休みをいただき。

来るたびに町が変わっています。この、変わる町のエネルギーと、かわらないものと。変わるものと、かわらないもの、しっかりと見ていたい、と思います。


サイゴンに着いた記念にビール。ベトナムのビールじゃないけれど。
ビールが飲めるようになって、ほんとうによかったと、日々思います。

2009年7月14日火曜日

お引越しのごあいさつ

こんにちは。


ご覧のとおり、ブログのお引越しをしました。

今まで読んで下さっていた方々も、初めて見て下さった方々も、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

世界のあちこちを歩く中で、見たものや思ったことを、少しずつ、記録に残そうと思っています。

楽しんで読んでいただけると幸いです。